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前立腺癌 (2006/07/06)
 米国、スウェーデンでは羅患率第1位の癌で、日本では1998年の統計では第6位ですが、増加率は最も高い癌です。55歳頃からなり易く、年齢と共に増加します。私の友人も56歳で罹っています。
コレステロールを多く取る人、男性ホルモンの多い人がなり易い傾向にあります。
天皇陛下が血液検査(PSA)で前立腺癌が分かったと報道されてから、検査を希望する方が急に増加しました。
私の施設では、専門の胃癌、大腸癌と同じ頻度で前立腺癌が見つかっています。診断方法は腹部超音波検査で、前立腺肥大、前立腺の形の不揃いを見つけたらPSA(前立腺特異抗原)を測定します。PSA値が4.0以上の方は、前立腺のMRIをお勧めします。その結果、前立腺癌が強く疑われる場合は泌尿器科に紹介し、10〜12ヶ所の生検(組織検査)が行われ、診断がはっきりします。癌でなかった場合は、3〜6ヶ月毎にPSAを測定することになります。
前立腺癌と診断がついたら、75歳以下の方は手術が勧められます。(手術に根治性がある場合。)75歳以上の方は、ホルモン療法や放射線治療が行われます。
前立腺癌は骨に転移し易いので、しばしば腰痛などで発見されます。
当院で発見した前立腺癌の2例の腹部超音波像と、造影MRIを供覧します。

上段(症例1)…PSA値:18.55
           熊本中央病院で手術

下段(症例2)…PSA値:114.00
           ホルモン療法で経過観察中

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