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食道異物 (2006/02/10)
 食道に物がはさまったままの状態を食道異物いいます。多いのは、水なしで薬を飲んだ時ですが、その他に、入れ歯や、梅干の種が食道に残っていることがあります。
今回は、12年前に胃の上部1/3を切除した方で、10ヶ月前の胃カメラでは異常ありませんでした。
1週間ほど前から水を飲むにも喉にひっかかり、胃に落ちない感じがするとの訴えでした。
私は食道癌の診断では最も日本で進んでいた東京都がん検診センターに勤務していた関係で、食道癌の診断には詳しいので、10ヶ月前の胃カメラで食道癌を見落としたとは考えにくいと考えました。しかし、症状があまり強いので、胃カメラをすることにしました。
(A):食道に胃カメラを挿入した時の写真です。食道をふさぐような感じで大きな塊(矢印)が見えます。そのまま鉗子(かんし)やスネアを使って胃に落としたり、口から出すことを考えましたが、柔らかくしてうまくいきません。そこで大きな鉗子で、少しづつつぶして胃に落とすことにしました。

(B):大部分は胃に落とし、残りの小さい食物塊(矢印)が食道に残り、胃と食道を*合した部分が見えています。 治療後は、すぐにつかえ感が消失し、水も以前同様飲めたので、非常に喜んで帰宅されました。

参考資料:早期食道癌の診断
東京都がん検診センター 西澤護他
医学書院.1988年
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