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早期胃癌 (2006/01/10)
(A)は胃内視鏡の写真で、前庭部小彎を撮っています。異状所見が分かりますか。中央部のわずかに発赤した部分が病変です。これを異常とチェックできない内視鏡医は1cm以下の胃癌を見逃す可能性が大きいと思います。

 

 

 

(B)私は(A)の発赤部を異常と思ったので、色素(インジゴカルミン)を散布しました。その時の内視鏡写真です。中心部が不整形に陥凹し、周囲がわずかに盛り上がっているのがお分かりと思います。一般の方は、胃癌は胃潰瘍や胃ポリープより分り易いと思っておられますが、それは進行癌の時だけです。1cm以下の平坦型の早期胃癌では胃潰瘍や胃ポリープより分かりにくいのが通常です。その為、内視鏡で診断する医師は、普段からいろんなパターンの胃癌の内視鏡像を研究する必要があります。この方は、毎年検査を受けられており、地域医療センターでお腹を切ることなく、内視鏡的に切除することができました。

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